KIGU of LONDON キグ・オブ・ロンドン

以前、KIGU of LONDON についての記事「「背伸びした少女」を書きましたが、それからまた何個かコンパクトが増えましたので、改めてご紹介したいと思います。
元々、「KIGU」はハンガリーのブダペストのメーカーです。ブダペストの金職人、Josef Kiaschek(この苗字はなんと読むのでしょう、キアスチェク?)が初めにコンパクトを作り、彼の息子である Gustav が、「KIGU」を創業しました。Gustav Kiaschek の頭文字で、「KIGU」というわけですね。
(注:ハンガリー人の姓名は、本来は日本と同じく姓が先、名が後になります。ですからこの場合は Kiaschek Gustav で、「KI-GU」となります。しかし、日本人の海外向けのサインと同じように、ハンガリーでも対外的には名・姓の順で書かれることが多いようです)
グスタフさんには3人の息子さんがいて、長男チャールズはニューヨークに渡って金職人になり、下の二人、ポールとジョージがイギリスで第二次大戦
後に「KIGU of LONDON」を創業しました。おそらく、ソ連のハンガリー占領から逃れたのでしょう。
「背伸びした少女」でも書きましたが、その後30年間、質の高いコンパクトを作り続け、また積極的に海外への輸出もしていたので、KIGU of LONDON の名前は世界に知られることになります。
しかしパウダーコンパクト自体の衰退と同時期に創業者のジョージが亡くなったこともあり、77年に他メーカーと平和的に合併しました。
さて我が家の KIGU of LONDON のコンパクト。
前回ご紹介したのは4個でしたが、その後増えたのが写真の5個。
下段左右の大きなサイズが、60年代後半から70年代の、パウダーと固形の両方が使えるコンパーチブルタイプのもの、それ以外の3個が50年代のパウダー専用の内ブタありのタイプのものです。
上段の左、小さな丸いコンパクトは、「51シリーズ・ミニ」。直径2インチ(5センチ)のものです。
その隣の楕円のものは「59シリーズ」。1955年~58年に販売されていました。
下段真ん中は「55シリーズ」で、50年代半ばのものです。
KIGU of LONDON のメーカー自体はなくなりましたが、ジョージの息子さんのデヴィッドが「KIGU」のブランドを大事にしていて、埋もれかけている資料を整理なさっているようです。素晴らしいですね。
日本のコンパクトも、ちゃんと系統立てて整理しないと、愛好家が少ないこともあり、おそらくあっという間に歴史の中に消えてしまいそうな気がします。当時コンパクトを実際に作られていた方のお話など、ぜひ聞いてみたい気がします。

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