カテゴリー「旅行・地域」の2件の記事

2006年12月10日 (日)

ヨーロッパの旅

1210_9  そういえば、イギリス以外のヨーロッパ諸国のコンパクトに今まで改めて言及したことがなかったなぁ、とふと気が付きました。
 そんなワケで、今日はコンパクトでめぐるヨーロッパ紀行です。

 …とはいえ、それほど数を(各国のものを)持っているわけでもないのですけどね。
(今回、写真がいつもにもましてちょっとボケ気味です、ごめんなさい)

 一番数が多いのは、やっぱりフランス製です。なんとなくイメージなんですが、日本とフランスはこういう雑貨が入ってくるルート1210_4がワリと確立されているせいなんじゃないかと思っているのですが。旅行者も多いですしね。

 まずはお馴染み、フランス陶磁器リモージュのコンパクト。これは前にも紹介しましたが、ようするにリモージュ地方のお土産物という位置づけなんでしょう。そんなに古いものではないです。せいぜい70年代以降。
 ブルー地に金はルイ14世とポンパドゥール夫人のいわゆる「プロポーズ柄」、右端は18世紀のフランスの画家オノレ・フラゴナールの図版を使用した、「恋人たちの語らい」のシリーズです。

 
1210_5  次の写真はフランス製いろいろ。
 四角いコンパクトの上のものは、コンパクト自体にはメーカーマークはないのですが、口紅ケースとセットになっていて、リップケースの方に「LCS」というメーカーマークがあります。このメーカーのことは検索してもよく判ら ないのですが、骨董市などでたまーに見掛けます。リップケースの凝った造りから見て、50~70年代くらいかなぁ、と推察しているのですが…1210_12

 四角の下のものも、MADE IN FRANCE以外の刻印がありません。雰囲気からして50年代っぽいですね。

 丸い大きいコンパクトは、最近のお土産品です。パリの街角の絵が描かれています。メーカーマークなどはありません。

1210_71210_6 その下の小さい黒いものは、30~40年代の比較的古いもの。MONTREA POUDREという刻印があります。裏側を開けて裏からお粉を入れるようになっています。そして横のねじを回すと、粉が内側から押し上げられて表面に出て来る仕組みです。

 一番下の六角形は香水メーカーHOUBIGANTウビガンのもの。これについては以前の記事をご覧ください。

1210_2  次は南下してイタリアに行ってみましょう。
 左は布張りで、ちょっと面白い形。右は革張りでBARCACCIA-ROMAと書かれています。いずれもお土産物でしょうね。イタリア製のものはこの2個しか持っていないのですが、偶然でしょうか、いずれも独創的な形と表装です。1210_3イタリア製のコンパクトには大変興味があるのですが、残念ながらまだあまりご縁がありません。
 ちなみに裏側は、やはり偶然でしょうか、両方とも黒い無地です。

1210_8 さて、再び北上。
 上のプチポワンはドイツのROWENTA社のもの。今は主に家電を扱っていますが、初期にはこういう携帯小物も販売していました。40年代くらいのものです。

 下の2個はいずれもオーストリア製。小さい方はLCNK MADE IN AUSTRIAと刻印されています。おそらく30~40年代の古いもの。緑のギローチェの地紋がとても綺麗で、一二を争う私のお気に入りです。

 大きな方は、おそらく現行品に近いくらい新しいもの。実は固形パウダー用で、表装は機械で刺繍されたプチポワン。地方の気軽なお土産品、という感じです。
 元々、プチポワンはオーストリアが本場。アンティーク的には香水ビンなど有名ですね。小物やアクセサリー、バッグなど、高級なものから手軽な機械縫いのものまで、いろんな種類があるようです。

1210_1 ヨーロッパ製のコンパクトはまだ資料をあまりあたっていないこともあって(また、資料があってもフランス語やイタリア語ではどうしようもなく…)、あまり知識がありません。これから、徐々に、楽しく勉強して行きたいと思っています。…頑張りまっす!

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2006年5月 7日 (日)

ご当地コンパクト

Sippou  日本の50~70年代ヴィンテージコンパクトの隆盛は、ちょうど高度経済成長時期と重なります。
 骨董市などで見掛ける日本製のコンパクトは、化粧品メーカーの物を除くと地方のお土産品であることが、多いです。戦後の混乱がひとまず落ち着いて、さて、産業も、工芸も、観光も、とにかく日本中が「ガンガン行こうぜ」モードに突入していて、お土産品のコンパクトなど見ても、なんだかそういう「元気」みたいなものを感じます。

 考えてみれば、コンパクトの表面、というのは伝統工芸の技を、しかも適当な安価で楽しむにはうってつけですよね。タイピンやペンダントなどのアクセサリーはちょっと小さいし、さりとて花瓶や置物といった大物になると、気軽なお土産品としてはちょっと大仰で高価になってしまうし。
 まあそういう訳で、お土産用の「ご当地の伝統工芸コンパクト」は、日本のコンパクトの歴史の中で、ナニゲに一大勢力を占めている、と感じます。

Sippouhako_1  トップの写真は、七宝焼のコンパクト、3種。右上の桜模様のコンパクトは桐箱に説明書付きで、愛知県七宝町の特産品、となっています。 …ごめんなさい、私、「七宝町」という町があること、このコンパクト買うまで知りませんでした。上記の自治体のサイトなど見ると、尾張七宝焼に心からの誇りを持ってるがよく判って、気持ちのいいガンコ親父がうようよいそうで、なんだか微笑ましいです。
 桜の七宝がとても繊細で可愛くて、お気に入りの品です。

Zouganall  一方、こちらは象嵌(ぞうがん)細工のコンパクト、4種。
 左下以外の3つは「肥後象嵌」です。さらに上段の2個は、コンパクトの表装が違うだけで、象嵌の柄自体はまったく同じ。上段右側は桐箱に説明書が残っていて、それによるとこのコンパクトは「光助」という肥後象嵌工房のもののようです。この工房、まだ存在してました。サイトはこちら。ただ、製品リストを見るとコンパクトは現在は作られていないようです。これについては後述。
 肥後象嵌の歴史などは、こちらの熊本マイタウンのサイトが詳しいですので、ご参照ください。

 下段左も象嵌細工には違いないと思うのですが、どこの工芸かはよく判りません。中央の象嵌部分と、左右の紅白のエナメル部分のきっぱりとした対比がとてもモダンで、ちょっとアールデコっぽくて素敵ですよね。銀地に金の象嵌がどこの地方の工芸か、ご存知の方がありましたらぜひ教えてください。

Zougan2_1  ここまで紹介したコンパクトのうち、桜の七宝、おそろいの2個の肥後象嵌、アールデコっぽい象嵌細工の4個は、実は同じメーカーのコンパクトです。
 …え?言ってる意味が不明?ってゆーか、いままでの説明はなんだったの?

 はい、つまりですね、「ご当地の特産」なのは、コンパクトの表面の模様部分「だけ」、な訳ですよ。金属本体部分を作っているメーカーは同じ、「CROWN」というメーカーです。さっするに、この「CROWN」というメーカー、各観光地のお土産物の、「金属部分」の加工に、広いシェアを持っていたのでしょう。
 現在もこのメーカーが存在するかどうかは不明です。ただ、前述したように「光助」や、肥後象嵌のメーカーサイトの製品カタログに、すでにコンパクトが載っていないこと、オリジナルコンパクト自体が衰退し、消えつつある化粧雑貨・小物であることを考え合わせると、すでに廃業している可能性が高いなぁ、と寂しく思っています。

0507_02  その他、「ご当地コンパクト」をまとめて。

 上段左は、ご存知京都の西陣織コンパクト。
 上段右は、購入した方いわく沖縄のお土産だったという鼈甲(べっこう)のコンパクト。なお、鼈甲は、ワシントン条約で保護されているタイマイ(ウミガメの一種。1975年に掲載)の甲羅で出来ていますが、日本では、伝統工芸の保護の立場から国内で流通する分においては、規制対象外です(もちろん、海外の輸出入には規制がありますよ)。

0507_03  下段は謎のコンパクトです。
 左側は、彫金のコンパクトで絵柄は日本伝統の「花車」。ここまで紹介したコンパクトの中では、たぶん一番年代の古いもので、戦前から戦後くらいのものだと推測しています。
 右側はもっと謎で、焼物、だとは思うのですが、どこの焼物かさっぱり判りません。それどころか、確実に日本のものかどうかすら、不明です。でもこの柄ですからね~、西洋の製品とは考えづらい。いやでも、ヨーロッパのシノワズリやジャポネーゼ趣味というのもあるからなぁ。
 金属部分の雰囲気、中身の構成から察するに、意外に古い…40~50年代ではないかと思っているのですが。

All_2  追記。
 以上の通り、ご当地コンパクトもいろいろ持っていますが、お土産コンパクトの場合、なぜか「未使用品」が多いです。…あー、これって「お土産」の宿命だよなぁ。買った人ともらった人の利害が一致しないの。

 誰かが出張とか旅行とかでどこかに出かけて、奥さんや娘さんや恋人に「あ、これ綺麗じゃないか」と思ってコンパクトをお土産に買う。ところが男性には化粧雑貨の細かいことは判らない。固形レフィルは同じメーカーのコンパクトでないと入らない、とか、ルースパウダーを使っている人は、意外に少ない、とか、そういうことは判らない。ああ、哀しいかな、お土産の綺麗な可愛いコンパクトは使われることもなく桐箱に入ったまま箪笥の奥に。

 我が家には、そんな「空振りしたお土産」が、たくさん集まっておりますですよ、大事に大事に磨いて愛でてますから、名も知らぬお土産購入者のみなさま、どうぞご安心くださいませ☆

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