カテゴリー「美容・コスメ」の15件の記事

2009年2月 1日 (日)

実験:シフターのないコンパクトを実際に使ってみる

Hi3b0359_3

 さて、ヴィンテージ・コンパクトには、しばしば「初めからシフターがない」コンパクトがあります。なんとなくアメリカ製のに多い気がする。Elgin American とかね。

Hi3b0363 もちろんそういうコンパクトは内ブタが付いていて、開けた途端にお粉が舞い踊る、などということはさすがにないのですが、現代の私たちの感覚で見ると、「シフターがないって不便じゃない?粉漏れひどくない?」と思ってしまいますよね。

 でも、そういうコンパクトがあったということは、当時の人はそれで使ってたわけだから使えないことはないはず。

 30~50年代のアメリカ製のコンパクトって、もう、最高に可愛くてゴージャスで上品で、絶対使いたいのよ、私は!…ということで、実験してみました。はたしてシフターが初めからないコンパクトは「使える」か?

Hi3b0361 実験に使ったのはアメリカ、ブリス・ブラザーズ Bliss Brothers のコンパクト。5.5センチ角の四角い小さいもので、鏡はポリッシュメタルミラー(金属鏡)、ミラーを開けるとオリジナルの頬紅が入っていますが、これはさすがに使わない(笑)。

 頬紅の上に「Bliss」のロゴが彫ってあって、お粉入れの内ブタの脇のふちに小さく「BB.CO」と刻印があります。

 ああ、この上品な豪華さ。手にした瞬間に、「これ使いたい!」と思ったのが、今回の企画の直接の動機です。

 ブリス・ブラザーズ Bliss Brothers は30~50年代にコンパクトを製造していたメーカーで、この小ささHi3b0365や無駄に凝った造り(だって見てくださいよ、ケースの脇のこんなところにもみっしりと飾り掘りがしてあるんですよ!)から見て初期のもの、30~40年代の戦前のものかなー、と思っています。

 実は2か月くらい前から普段日常で使っています。現在進行形。その結果、あくまでこのコンパクトに関しては、ですが、

 まず外への粉漏れは、ありません。

Hi3b0362 内ブタからコンパクトの内側への粉漏れは、あります。

 ただ、慣れるとこれも意外に気にならなくて、むしろ内ブタを開けずに漏れているお粉をパフに取って使う、という技が自分的に開発されました。だから、内ブタを開けることがあまりない、という面白い現象が。

 ただどうしても鏡が汚れやすくなるのと、パフをこまめに洗って乾かさないと古い金属なので緑青が出たりするので、現代ものの感覚で使うよりもメンテは頻繁になるかと思います。
 …まあ、メンテといっても気が付いた時に鏡を含めた内側をふく、とか、パフを清潔に、といった、当たり前のことなんですけどね。

Hi3b0364 古いものを綺麗に使うには、どうしてもひと手間が掛かります。ほら、ライターなんかもそうじゃないですか。古いオイルライターはオイルを入れ替えたり芯や石を代えたりと、使うには手間が掛かる。でも手間が掛からないから、という理由で、100円ライターの方が優れているか?100円ライターを使いたいか?と言えば、そんなことはないわけです。

 「手間を掛けること」も、ヴィンテージの小物を使う楽しみのうち。そう思える方なら、「初めからシフターのないコンパクト」も、状態さえ良ければ余裕で日常使いが楽しめると思います。

 注:ただし、「初めからない」のではなく「あったけどなくなった」場合は、コンパクト自体がシフターがあることを前提に製造されているので、シフターなしで使うのは難しいんじゃないかな、と思いますよ。


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2008年11月 3日 (月)

11月2日 横浜骨董ワールド

Hi3b0298 よく考えてみたら、「横浜骨董ワールド」にはまだ行ったことがなかったんですよ。一応は地元なのに。年に2回開催されるので、いくらでも行く機会はあっただろうに、なぜ行ったことがなかったんだろう…

 というわけで、今回初めて行って来ました。
 入場券代わりの冊子「骨董縁起帳」の表紙はいつも可愛いですね。この縁起帳自体は、友達に買ってきてもらったりして何冊か持っています。骨董市スケジュールとか載っていて便利なんですよね。

Hi3b0303 骨董ワールドは約350ディーラー参加の大規模な骨董市なので、「骨董ジャンボリー」並みに楽しみにして行ったのですが、結果から言うと、コンパクトは何も買って来ませんでした。

 まったくないことはなかったのですが、数が少なかった上に、値段と価値が見合っていなかったので購入は見送りました。骨董市に行って買いたいと思うものが何も見つからなかったのは初めてなんじゃないかなー。どうしちゃったんでしょう。

 なんとなくお客さんも少なかったような気がしますし、骨董屋さん同士の会話など漏れ聞いていると不景気な話題が多くて、ああ、こんなところにも経済不安の影響が、などと思ってしまいました。

Hi3b0296 私は骨董市の雰囲気自体が大好きで、何が潜んでいるか判らないわくわく感というか、未知なるものとの出会いに対するときめきを感じてしまうのですが、「ときめき」という意味では骨董ワールドはちょっと整いすぎているというか、綺麗すぎるというか、「怪しさ」に欠けていたような気がします。
 …いやぁ、骨董市は怪しくないHi3b0295とね!

 全然まったく何も買わないのはなんとなくさみしかったので、デザインや色合いが気に入ったクロスのペンダントをひとつ買って来ました。
 特に古いものではないと思います。ゴスロリの女の子が好みそう。ああ、考えてみると、私の好みってゴスロリ系に近いものがあるかもしれませんね。いやもちろん、ああいうファッションはしませんよ、しませんけどね(笑)。Hi3b0300大人のゴシック、ということで、ひとつご理解を。

 友達ふたりと一緒に行ったので、どちらかというと女3人でわいわいとおしゃべりが楽しかったです。帰りに横浜でソニープラザに寄ってお買いもの。

 そこでパルガントンの下地クリームとミネラルパウダーのお試しセットがあったので、思わず購入。以前購入したBBクリームとパールベージュのパウダーのセット「モーニングセット」が凄く良かったので今回も期待!
(この「モーニングセット」のHi3b0301パールベージュのシアトリカルパウダー、今愛用中なのですが、限定品なのでこれがなくなったらどうしよう、と悩んでいます)

 その後は横浜の居酒屋さんに入っておしゃべり大会。ああ、同性の友達って最高だよなー、と思う、楽しいひと時を過ごしました。骨董よりもコンパクトよりも、一番の財産は友達だ、と心から思います。

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2008年5月25日 (日)

ベルミュージアム

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 昨年2007年11月10~11日に、ヴィンテージコンパクトの展示会「華麗なるヴィンテージ・コンパクトの世界」を開催した時に、来場くださったみなさまの間で、日本製のコンパクトの中ではおそらく一番人気だった(といか、たぶん一番人目を惹いた)のが、写真のスーツケース型コンパクトです。

Hi3b0200 と言っても実はこのコンパクトは古いものではなく、1993年にカネボウから出された、30年代アメリカ製のヴィンテージコンパクトの「復刻版」です。しかもパウダー用ではなく固形用なので(90年代ですからねぇ)、今までブログではご紹介しなかったのですが、先日ちょっと面白い記事を見つけて、「そういえば」と思って引っ張り出して来ました。

Hi3b0201 面白い記事、というのはこれです。

 北京にて「世界のアンティークコンパクトコレクション展」を開催
 (リンク先はPDFファイルが開きます)

 くしくも同じ2007年11月に、カネボウが中国・北京で「アンティークコンパクト展」を開催していたのですね。お恥ずHi3b0202かしいですが、全然知りませんでした。ぜひ日本でもやっていただきたいですね、軽~く日本全国縦断で。

 で、この記事を読んでいて思い出したのが、ベルミュージアムです。

 記事内にある「カネボウ美容研究所」で所蔵しているヴィンテージコンパクトを、常設で展示していたカネボウ化粧品の美術館があったんですよ。
 その、「ベルミュージアム」の開館記念の記念品が、この復刻版スーツケース型コンパクトなのです。限定生産の非売品です。

Hi3b0203 確か、ネット上でもベルミュージアム所蔵のコンパクトが見られるサイトが2年くらい前まではあったはずなのですが(つまり、このブログ開始当時はあった)、ふと気がつけばサイトがなくなっていました。

 ご存じのとおり、カネボウ化粧品は2006年1月に花王株式会社の100%完全子会社になりました。再編の段階で、美術館は閉館したのだと思うのですが、はっきりしたことは調べられませんでした。
 ただ、上記の北京で開催された「コンパクト展」が「当社・美容研究所所蔵の」とあって「ベルミュージアム所蔵の」となっていないところをみると、やはり閉館したのでしょうね。

 美容研究所の所在地はカネボウ化粧品本社内、とあるので、所蔵のヴィンテージコンパクトも本社に保管されている、ということでしょうか。なんとか再び日の目を見て欲しいものです。

Hi3b0204 ちなみに、この復刻版コンパクトは、アメリカ出版のヴィンテージコンパクトのコレクション本にも「90年代のコンパクト」のページに、エスティのピンクリボンやゲランのメテオリットと並んで載っていました。そりゃ、素敵なデザインですものねぇ。

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2008年3月 2日 (日)

もうひとつの小さなコンパクト

Hi3b0129

Hi3b0130 なるべくパウダーコンパクト以外は集めないように、と思っているのですが、たまについ魔がさして買ってしまうのが、練り香水のコンパクト(Creme Perfume Compact)です。
 欧米にはこれだけのコレクターもいる人気アイテム。日本ではあまり使う習慣がないですよね、練り香水。ようするにワックス状の香水なのですが。

 コロンと手の中に納まる小さいサイズ。通常のコンパクトと並べてみると、その小ささがお分かりいただけるかと思います。香水瓶をバックの中に入れて持ち運ぶよりも、小さくて形Hi3b0131も可愛いし、なによりこぼす心配もないし!

 写真の2個は、マックスファクターのものです。マックスファクターは毎年チャーミングなデザインのシリーズを出していたようで、骨董市や海外のオークションなのでもよく見かけます。

 下のジャスパーの練り香水入れは、「The Wishing Tree」という名前が付いています。木の下に女性と犬がいる図柄。ジャスパーの技法ですが、ウェッジウッドとは関係ないようですが…
 デイジーのケースは、骨董市で一目惚れして買ってしまいました。…だから、練り香水には手を出しちゃダメだってば、自分。
Hi3b0135 ケースの横側の模様も凝っていて、素敵ですね。

 クラッシックな額縁の中に絵画が入っているようなデザインは、エスティーローダーのものです。
 これは以前にもご紹介しましたが、裏側に安全ピンが付Hi3b0133けてあって、ブローチに改造されています。確かにブローチのような素敵なデザインですよね。可愛いなぁ。

 ブルガリのシルバーのケースは、ワックスタイプの練り香水ではなく、パウダーパヒューム、固形の粉状の香水です。
 これは骨董趣味で集めたものではなく、10年くらい前に当時お付き合いしていた男性からプレゼントされた、思い出の品です。…おおーい。元気かぁぁぁぁ(見てない見てない)。
 マスコミ向けの展示会で関係者に配られた記念品だったのですが、ブランド品に疎いので市販品かどうかは知らないのです。
 放っておくと表面が真っ黒に硫化してしまうので銀含有だと思うのですが、特にホールマHi3b0132_2ークはありません。

 思い出の品なので、折にふれ磨いて大事にしているのですが、例えば私が死んだらこういう品が骨董屋さんとかに流れて、見知らぬ誰かの手元に行くのかな、と想像すると、今、うちにあるヴィンテージの小物たちにもそれぞれの物語があるのだろうなぁ、と思えて、余計に大事にしてあげよう、という気持ちになります。

 品物は「物」にすぎないけれど、人はそれに、「想い」を込めるのですね。

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2007年4月 1日 (日)

東のレート、西のクラブ

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 日本の粉おしろいの近代史は、1900年(明治33年)に長谷部中彦氏が、日本で初めての無鉛の粉おしろいを発明したところからスタートします(それまでのおしろいには鉛が含まれていて、いわゆる鉛害が問題になっていました)。

 この粉おしろいは1904年(明治37年)に、伊東胡蝶園(後のパピリオ)から、日本初の無鉛粉おしろい「御園白粉」として販売されます。

 明治期には近代的な意味での化粧品メーカーも続々と創業、化粧は上流階級婦人や水商売の人だけでなく、一般の庶民にも浸透して行きます。

 070401_2写真は大正~昭和初期の化粧品メーカーのコンパクト。
 三角のケースは「レート粉白粉」、丸いコンパクトは「クラブ白粉錠」と刻印があります。

 この2社は、「東のレート、西のクラブ」と並び賞され、とある訴訟の関係もあって、両雄・ライバルとして第二次大戦までしのぎを削っていました。

レート(平尾賛平商店)1878年(明治11年)創業
クラブ(中山太陽堂) 1903年(明治36年)創業

レート粉白粉 1910年(明治41年)販売
クラブ粉白粉 1911年(明治42年)販売

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 日本語の文字が右書きから左書きに改まったのは1943年(昭和18年)くらいのことですから、写真のコンパクトは1911~1943年の間の販売ということになります。

 三角形という、粉おしろいならではの自由な形が面白いレート粉おしろい入れは、鏡はなく厚みもあるので携帯用と家庭用の中間的な感じがしますね。材質はステンレスだと思います。表装に金の塗料が塗られています。
 1辺は約7センチ。コロンと可愛くて縁の模様もハイカラでお気に入り。戦前のパッケージデザインって本当に素敵ですよねぇ。

070401_5 一方のクラブ白粉錠。この「錠」の文字の意味がよく判らない…。裏面には、「"CLUB" COMPACT FACE POWDER」「NAKAYAMA TAIYODO OSAKA TOKYO」と刻印されています。…ということは、COMPACT=錠?ぴっちり閉まる、の意味かな?今後の研究課題ということで。直径5センチの小ぶりサイズ。材質は真鍮かな?表面の浮かし模様の鳥も素敵。

 さてレートとクラブ、1924年(大正13年)に「フード」という商標をめぐって訴訟が起こります。
 070401_6元々「レートフード」という美容液をレート(平尾賛平商店)が販売していて、後追いでクラブ(中山太陽堂)が「カテイフード」という美容液を発売、これにレートが異議を唱え、泥沼の訴訟劇が11年間続きます。
 1935年(昭和10年)に和解しますが、その後日本は軍国主義突入、化粧業界は大戦で壊滅的な打撃を受けます。

 1954年(昭和29年)に平尾賛平商店のレート化粧品が会社更生法申請、またくしくも同年、中山太陽堂のクラブ化粧品も整理(クラブコスメチックスがすべてを引き継いで再建)、「東のレート、西のクラブ」と謳われた両雄は、終焉を共に迎えることになるのです。

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2006年12月10日 (日)

ヨーロッパの旅

1210_9  そういえば、イギリス以外のヨーロッパ諸国のコンパクトに今まで改めて言及したことがなかったなぁ、とふと気が付きました。
 そんなワケで、今日はコンパクトでめぐるヨーロッパ紀行です。

 …とはいえ、それほど数を(各国のものを)持っているわけでもないのですけどね。
(今回、写真がいつもにもましてちょっとボケ気味です、ごめんなさい)

 一番数が多いのは、やっぱりフランス製です。なんとなくイメージなんですが、日本とフランスはこういう雑貨が入ってくるルート1210_4がワリと確立されているせいなんじゃないかと思っているのですが。旅行者も多いですしね。

 まずはお馴染み、フランス陶磁器リモージュのコンパクト。これは前にも紹介しましたが、ようするにリモージュ地方のお土産物という位置づけなんでしょう。そんなに古いものではないです。せいぜい70年代以降。
 ブルー地に金はルイ14世とポンパドゥール夫人のいわゆる「プロポーズ柄」、右端は18世紀のフランスの画家オノレ・フラゴナールの図版を使用した、「恋人たちの語らい」のシリーズです。

 
1210_5  次の写真はフランス製いろいろ。
 四角いコンパクトの上のものは、コンパクト自体にはメーカーマークはないのですが、口紅ケースとセットになっていて、リップケースの方に「LCS」というメーカーマークがあります。このメーカーのことは検索してもよく判ら ないのですが、骨董市などでたまーに見掛けます。リップケースの凝った造りから見て、50~70年代くらいかなぁ、と推察しているのですが…1210_12

 四角の下のものも、MADE IN FRANCE以外の刻印がありません。雰囲気からして50年代っぽいですね。

 丸い大きいコンパクトは、最近のお土産品です。パリの街角の絵が描かれています。メーカーマークなどはありません。

1210_71210_6 その下の小さい黒いものは、30~40年代の比較的古いもの。MONTREA POUDREという刻印があります。裏側を開けて裏からお粉を入れるようになっています。そして横のねじを回すと、粉が内側から押し上げられて表面に出て来る仕組みです。

 一番下の六角形は香水メーカーHOUBIGANTウビガンのもの。これについては以前の記事をご覧ください。

1210_2  次は南下してイタリアに行ってみましょう。
 左は布張りで、ちょっと面白い形。右は革張りでBARCACCIA-ROMAと書かれています。いずれもお土産物でしょうね。イタリア製のものはこの2個しか持っていないのですが、偶然でしょうか、いずれも独創的な形と表装です。1210_3イタリア製のコンパクトには大変興味があるのですが、残念ながらまだあまりご縁がありません。
 ちなみに裏側は、やはり偶然でしょうか、両方とも黒い無地です。

1210_8 さて、再び北上。
 上のプチポワンはドイツのROWENTA社のもの。今は主に家電を扱っていますが、初期にはこういう携帯小物も販売していました。40年代くらいのものです。

 下の2個はいずれもオーストリア製。小さい方はLCNK MADE IN AUSTRIAと刻印されています。おそらく30~40年代の古いもの。緑のギローチェの地紋がとても綺麗で、一二を争う私のお気に入りです。

 大きな方は、おそらく現行品に近いくらい新しいもの。実は固形パウダー用で、表装は機械で刺繍されたプチポワン。地方の気軽なお土産品、という感じです。
 元々、プチポワンはオーストリアが本場。アンティーク的には香水ビンなど有名ですね。小物やアクセサリー、バッグなど、高級なものから手軽な機械縫いのものまで、いろんな種類があるようです。

1210_1 ヨーロッパ製のコンパクトはまだ資料をあまりあたっていないこともあって(また、資料があってもフランス語やイタリア語ではどうしようもなく…)、あまり知識がありません。これから、徐々に、楽しく勉強して行きたいと思っています。…頑張りまっす!

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2006年12月 3日 (日)

クリスマスの贈り物

1203_5  さて、12月に突入し、「今年も押し詰まって参りました」感が街に満ち溢れる今日この頃。

 12月といえばクリスマス。私はクリスチャンではありませんが、典型的日本人なのでこういう、なんでも節操なく「自分とこのお祭り」にしちゃう国民性は、素直に好きです。
 だって街がなんとなく華やいで、ハッピーなクリスマスソングが流れてて、プレゼントなんにしようかな、なんて考えるだけでウキウキしますものねえ?ウキウキは女性を美しくする原動力ですから!

1203_6 50年代アメリカの化粧品の雑誌広告なども、気が付くとぼちぼちと集めているのですが、いわゆるクリスマスギフトの化粧品セットなど、イラストを眺めているだけでうっとりしてしまいます。
 考えてみたら、今でもクリスマスにはメーカーがクリスマスコフレを限定発売しますよね。時代国籍問わず、女性は綺麗な可愛いギフトセットには弱いものです。

 トップ写真の台座になっているのは、AVONのクリスマスギフトの広告です。一緒に写っているコンパクトは、色合いがクリスマスっぽいのを選んでみました。
1203_9 イラストは後にご紹介するCotyよりも、どちらかと言うとシャープな色使いが、洗練されていてとても素敵。額装はしてあるのですが、我が家にはもはや飾る壁がなくて(笑)、普段は床の上に直に壁に立てかけて置いてあります。

 さらにとってもキュートでカワイイのが、Cotyのクリスマスギフトの雑誌広告。今見ても、「これ欲しい!」と身もだえします。ああ!このグリーン地の「舞い踊る提灯(…だから、それはパフですってば)」柄のコンパクトが欲しい!欲しいのよ!
Coty_1_1  よく見ると、以前このブログでご紹介したENVELOPE(封筒)型のコンパクトも載っていますね。1203_10

 たぶん、こういうヴィンテージな雑誌広告は、写真ではなく「イラスト」なのも、ポイント高いんだと思います。写真よりも想像の余地があるというか、温かみがある。「ありのまま」を写し過ぎてちょっと実もフタもない写真よりも、イラストの持つそのあいまいさの中に、ギフトを選ぶ人の「心の内」が滑り込むような、そんな気がします。

 クリスマス限定と言えば忘れてならないのは、この時期に毎年出る、エスティーローダーの限定メタルコンパクト。あれも罪だなぁ、といつも思いますよ。ちなみに今年のコレクションは、こちら

 残念ながら、というか、幸いにして、というか、エスティローダーのメタル・コンパクトシリーズはプレストコンパクトなので、一応今の ところ、ヴィンテージパウダーコンパクトのコレク1203_8ターである私は微妙にテーマ違い、と自分を諌めて手を出してはいないですけど、手を出しちゃったら泥沼のヨカンがヒシヒシといたします。練り香水も同様ね。実際、すでにコレクターの方(つまり泥沼にハマった人)がいらっしゃいますしね。
 でも現行メーカーで、昔ながらの雰囲気のメタルコンパクトを定期的に出してくれているのってエスティだけなので、買わないまでも注目しています。ピンクリボンのシリーズ、可愛いよなぁ…(夢想中)。

 とにかくさておき何はともあれクリスマス。おしゃれして、素敵なアクセサリーや小物やお化粧道具をたずさえて、浮き立つ街に出掛けましょう♪

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2006年11月 5日 (日)

国粋宣言

1105_7 考えてみましたらこのブログ、ちょっと西洋ヴィンテージに偏っているかも?と反省し、今日は日本製コンパクトをピックアップすることにいたしました。

 前にも日本製のものについては書いたことがありますので(「ご当地コンパクト」「ピンクの桜も君に?」)、今回はまだこのサイトで紹介してないものを中心に。

 基本的に、私は日本の文化が好きです。で、日本の凄いところは、元々持っている自国の文化に新しく入って来る外国の文化をすんなりとハイブリッド(笑)してしまうところ。異常に高い、その応用力。
 考えてみたら、その「元々の文化」も中国とかから入って来たものを、自分たちで使いやすいように改良して(文字とか、宗教とかね)来たものだし、柔軟性と器用さの現われということでしょうね(まあ、悪く言えば節操がなくて軽くて流行に乗せられやすい、と)。

 コンパクトの世界も同様で、たとえばタイトル写真の左側、「KIGU of London」のプチポワンかと見まごうような素敵な刺繍のコンパクトは、このブログではすでにおなじみの日本のメーカー「Pink Lady」の品です。
 それでもぱっと見ですぐ日本製と判るのはなぜなんだろう、と考えてみたのですが、たぶん、ケースの厚みのせいかもしれません。

1105_4 日本製のコンパクトは、その実直な国民性のせいか?案外実用的なものが多いので、「華奢で綺麗だけど、でもどこにパフを入れたらいいんだ」というようなことは滅多にありません。かといってアメリカ製ほどゴツく重くはなくて、ほどほどに綺麗でほどほどに使い勝手もいい。
 これはまさに、仏教の「中道」の教えの賜物と言えましょう(ちょっと飛躍してみました)。

 戦前のコンパクトは、日本伝統の彫金細工のものが多いです。右の写真はそこまで古くない、戦後のものですが、雰囲気としてはこんな感じ。上は「CROWN」、下は「New Light」社製です。

 これはこれで美しいのですが、現代のお若い女性にはちょっと渋すぎますよね。やはり日本製コンパクトの黄金期は昭和40年代以降。元々の伝統文化にカラフルな色彩と技法がどんどん混入して、イギリスともアメリカとも違う、独自のスタイルになっています。

1105_3  さて、どんどんと紹介して行きましょう。

 左上:さきほど紹介のジャパニーズ・プチポワン。カバーはありません。

 右上:プチポワンではないけど綺麗な刺繍のコンパクト。同じくカバーなしで、この2つは「Pink Lady」製。

 左下:「Madoleya」という表記のある、真珠貝(マザーオブパール)の彫刻のコンパクト。たぶん、伊勢志摩のような真珠の産地のお土産ものではないかと思います。

 右下:「NACON」社製の七宝焼のコンパクト。前にも紹介しましたが、「NACON」社は一時期イギリスの「KIGU OF LONDON」の日本での輸入代理店をしていました。

 2枚目。
1105_5  左上:メーカー表示はないのですが、裏面の模様などから判断しておそらく「CROWN」社製のプチポワン刺繍のコンパクト。刺繍モノにしては色合いが珍しいですね。カバーはなし。

 右上:トップの写真の右側でもあります。「フルーネ」という表示がある小さな可愛らしいコンパクト。表面は彫金に着色してある感じです。

 左下:「CRYSTAL JAPAN」と表示のあるちょっとアールヌーボーっぽいエナメルのコンパクト。このコンパクトは「Stratton」並に薄く、内側には「Stratton」のあの金の枠と同じような枠が付いています。「Stratton」をかなり意識してる気がするのですが、残念ながら根本的な部分(なぜ金枠があるのか、など)を理解していないでただ真似ただけのような気がします。

 右下:メーカー不明の、折鶴柄のコンパクト。内ブタあり。裏面は同じえんじ色のエナメルで、折鶴の模様がない状態です。たぶん、並んでいる他のコンパクトより年代が古いと思います。

1105_2  次の写真はお馴染み、資生堂の花椿会の記念品2種。正確に言うとこれはお粉用ではないのだけれど、さすが資生堂、という感じの和洋折衷ぶりが特筆です。

 左側は1969年(昭和44年)の記念品で「しづり」という名前。なんでも正倉院の宝物の「七宝飾りの鏡」をモチーフにしたものだそうです。な、なんてハイカラなんでしょうね。
 右側は、正確な年代は判りませんがやはり昭和40年代の記念品で「露芝文(つゆしばもん)コンパクト」。露芝文というのは、芝草に露が降りた様子を文様化した伝統文様で、着物の柄などにもよく見られます。
 資生堂はほんと、こういうの抜群にうまいです。

1105_8  最後の写真のコンパクトは、実はヴィンテージものではなくて現行品。確か、去年ネットで購入した、古布コンパクト。もちろんルースパウダー用。表面が着物の古布で表装されているので、この世にひとつしかない1点ものです。
 「綾小路老舗」のものなんですが…この記事を書くので確認のためにサイトに行ってみたところ、な、なんとミラーコンパクトのみで、もう既にお粉用コンパクトはカタログにない!
 え…でも私が買ったのは昨年…ががーん。終売ですか、そうですか。

 なんと言うか、「ルースパウダーコンパクトの終焉」を目の前で見せつけられたような寂寥感を感じます…ひゅるりら~(←心を風が吹き抜けた音)

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2006年10月15日 (日)

Only By MAXFACTOR

Mf_1  個人的な感想なのですが、イギリスのコンパクトメーカーに見られる上品で繊細なフォルムと違い、アメリカのコンパクトはなんとなく野暮ったくて無骨。どちらかというと実用本位な感じがするのは、「貴族」のいないアメリカで、コンパクトは初めから女優も含めた「働く女性」のためのものだったからかもしれません。

 Evansの30~50年代のコンパクトなど、本当に優雅で繊細で美しいのだけど、それでもどこかにただよう一抹の野暮ったさ、「ヨーロッパに追いつき追い越せ」という新興国の気概が見えて、パワフルで、そこが逆にアメリカ製コンパクトの魅力だと思います。
Mf_10 あ、それと経験から言って、なぜか四角いコンパクトが多い、ような気もします(写真はマックスファクター他アメリカ製の四角いコンパクトたちです)。

 「マックスファクター」は、1909年にアメリカ・ハリウッドに化粧品・演劇用品店を開店したのがその始まりです。
 創始者のマックスファクター1世は「化粧する」の意味で現在当たり前に使われる「MAKE UP」という言葉を生み出した人としても知られます。

 ハリウッド映画の化粧技術とともに成長した「マックスファクター」は、まさにアメリカの夢、ハリウッドの夢。明るくて陽気で、良い意味でも悪い意味でも成金趣味で、夢は夢でも「ちょっと頑張れば手が届きそうな」身近な夢。

Mf_3  トップの写真の中で、パウダーコンパクト用なのは実は水色の四角いものだけで、金の丸いコンパクトは固形と粉の両用、マザーオブパールのものは固形のレフィル用、懐中時計型は固形でレフィル交換の出来ないタイプです。

 この水色のコンパクト、中央にマックスファクターのメーカーマーク「MF」が付いていMf_2て、ゴツいのでてっきりアメリカ製かと思っていたのですが(それも失礼な判断)、後になって骨董市で箱付きのものを見掛けまして、それが思いっきりジャパニーズ粗品のノシ付きで(笑)、どうやら日本マックスファクターのノベルティだったようです。調べてみたら、1971年に出た、「マックスファクター日本支社創設20周年」の記念品でした。
 世界展開している大きな化粧品メーカーのコンパクトの場合、そのあたりが難しいです。いったい「どこ製」と言っていいものか。ニューヨークCotyなんかも悩むところなんですよね。

Mf_8Mf_7  その点、懐中時計型のコンパクトはちゃんと「Made In USA」です(笑)。この時計型のシリーズはいくつか種類が出たようで、このカメオタイプの他にもカメオのない金時計タイプなど、何種類か見掛けました。あ、ちなみにカメオは本物の貝カメオや瑪瑙カメオではなくて、練り物ですよ、もちろん。

Mf_4  マザーオブパールのコンパクトと口紅ケースは、セットで骨董市で売られていたのですが、本来セットだったものではないと思います。リップケースの方は本体が真ちゅう製なので年代が古い気がします。
 このリップケースは以前にも紹介したんですが凄く芸が細かいんです。写真のように口紅が納まっているんですが、これがバネの力でフタが開くと飛び出し、閉めると内部に納まる仕組み。これって今売ってても面白いんじゃないかなぁ。Mf_5
(11月7日追記:この口紅ケース、1958年のアメリカの雑誌広告を発見しました。)

Mf_6  ケースの裏側には「パテント(特許)はアメリカ、コンテナはイギリス製ですよーん」という刻印があります。

 なお、日本ではマックスファクMf_9ターは早くも戦後1949年(昭和24年)に日本進出、昭和26年には日本支社も出来ました。その後ロレアルグループの傘下に入り、現在はP&Gグループから販売されています。

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2006年8月13日 (日)

生き残りを賭けた戦い2

0813_2  毎日暑い日が続きますが、みなさま体調にはお気をつけくださいね。

 さて、タイトルがなんだか「仁義なき戦い2」、みたいな感じでアレですが、以前、「生き残りを賭けた戦い」というタイトルで、白粉の主流がルースパウダーからプレストパウダーに移行する過渡期に、コンパクトメーカーが陥った試行錯誤のお話を書いたことがありました。その後、またちょっとその時期以降のもので面白いコンパクトがあったので、ご紹介します(先に「1」の方をお読みいただけますと嬉しく存じます)。

 まずはおなじみのStratton社製。
 金の地に金の飾り模様、3個のパールホワイトのビーズが上品で可愛らしいコンパクトなんですが、ひょいっとひっくり返しますと、いつもの星模様に「Stratton」のロゴ、そして下部に、現代のプレストパウダーケースにはおなじみの、レフィルを後ろから押し出すための「穴」が…

0813_5_10813_4_2 そうなんです、どうもこのコンパクトは、プレストパウダー専門ケースのようです。Strattonでプレスト専用は、初めて見ました。もしかしたら、どこかの化粧品メーカーとコラボしたのかもしれませんね。年代はよく判りませんが(なにしろ初めて見たので…)70年代より前ではないと思います。

0813_6_1 まったく個人的な感想なんですが、このコンパクトを入手した時、私は、お粉も固形も両方使えるように工夫を凝らして、なんとか生き残ろうと頑張っていたコンパクトメーカーの「雄」が、ついに白旗を揚げたような、力尽きたような、そんな寂しさを覚えました。

 所詮、大きさや形や厚みがまちまちの固形のレフィルをすべてカバーするコンパクトを作るのは不可能なこと。そんな、汎用性の少ない商品を量産しても、大きな成功は望めないでしょう。それでも、固形専用コンパクトを作らざるを得なかった、哀しさ、無念さ。

 Strattonは97年に他企業に吸収合併され、現在も企業の一部門として「Stratton England」のロゴでコンパクトを作ってはいますが、実はイギリス本土で作られてはいません。

 同じく、イギリスのコンパクトメーカー、KIGU OF LONDONのプチポワンのコンパクト。0813_80813_7_3
 このコンパクトはお粉と固形の両用タイプのコンパクトなのですが、これまたひょいっとひっくり返しますと、中央に丸いオヘソがあります。実はこの部分、バネの力で内部にぐっと押せるようになっています。
 裏側からこのオヘソを押すと、内側の底がぐにょんと押し上げられ、中のレフィルが持ち上がって取り出しやすくなっています。
 つまり、レフィル交換の際、ヘアピンがいらないということですね(笑)。この仕組みは現代にあっても十分に便利なんじゃないかなぁ?0813_9_1年代はやはり70~80年代でしょうね。

 やはり、この時期のコンパクトメーカーの工夫の多用さは驚きですね。なにしろ、生き残りが賭かっていますから、必死。

 こういう必死な工夫が、現代には欠けているのかもしれません。
 物があふれて便利になったように見えて、実は便利になりすぎて発想が貧困になってしまっているのかも。豊かなように見えて、貧しい。もっと自由な、臨機応変な発想が、私たちのひとりひとりに必要なのかもしれないなぁ、と、こういう古い美しい、そして工夫の凝らされたヴィンテージ物を見ていると、感じます。

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